ポリエステルは乾燥機で乾かせる?洗濯と乾燥、アイロンのコツ
普段自分が着ている服や、毛布や布団などの寝具、カーテンやクッションなどに使われている布地、どんな素材で作られているのか確認したことはありますか?綿や麻、絹などの天然繊維以外では合成繊維も使われていますが、それらの合成繊維の中でもっとも活用されているのがポリエステルだといわれています。
とても身近な素材のポリエステルですが、どのように扱うのが正しいのかあまり意識したことがないという人も多いかもしれません。
ポリエステルがどんな素材でどのようにお手入れすれば良いのか、洗濯や乾燥の正しい方法など詳しくご紹介しましょう。
ポリエステルはどんな素材?
ポリエステルは石油を原料として作られる合成繊維で、ナイロンやアクリルなど他の合成繊維よりも安価で、さまざまな製品に使われています。軽くて乾きやすく丈夫、熱にも強いし変形しにくいという特徴がありますが、メリットだけでなくデメリットもあります。どんなメリット・デメリットがあるのか、見ていきましょう。
ポリエステルのメリット
▪綿や麻といった天然繊維よりも、シワになりにくく扱いやすい
▪洗濯が簡単で縮みや型崩れの心配が少ない
▪発色がキレイでプリーツなどの加工もしやすい
▪流通量が多く安く手に入る
などです。
洗濯してもシワになりにくいので、アイロンいらずなのは嬉しいですよね。安価な素材ですが、有名ブランドの服にも使われることがあり、加工次第でとても華やかになり見劣りするわけではありません。
ポリエステルのデメリット
▪静電気が起きやすい
▪色落ちの心配がある
▪毛玉ができやすい
などです。
乾燥した季節、ポリエステルの服を着たり脱いだりする時に、バチバチしてびっくりしませんか?ポリエステルだけでなく、合成繊維はどうしても静電気が起こりやすくなってしまいます。静電気が起こりやすくなることで、ゴミやほこりも付きやすくなり、黒や紺など濃い色の服は粘着テープのコロコロ等が必要になりますよね。
ポリエステルの洗濯の注意点
丈夫で乾きやすく、洗濯をするには扱いやすい素材のポリエステルですが、注意しなければならない点もいくつかあります。
洗濯表示を確認する
どんな衣類でも、洗濯する前に洗濯表示を確認することが必要です。ポリエステルは丈夫だからと、表示を確認せず洗濯してしまったら、後悔することになってしまうかも。水洗い可能であれば自宅で洗濯してもOK、洗濯機マークや手洗いマークが「×」になっていなければ大丈夫です。
洗濯機で洗うことができると表示されていても、適した水温を守らなければダメージを与えてしまいます。マークに表示されている数字は限度となる水温なので、それを超えることは避けましょう。
その他にも、洗濯表示には干し方やアイロンのかけ方も表示されています。これらを守り正しく洗濯し風合いを保ちましょう。
汚れものは分ける
ポリエステルは、汚れを吸収しやすいという特徴があり、さらに吸収した汚れが落ちにくいという特徴もあります。ですから、汚れのひどい服とポリエステルの服を一緒に洗うと、せっかく洗濯したのにする前よりも汚い!ということにもなりかねません。
なんでもかんでもまとめて洗ってしまうのではなく、事前に汚れ具合をチェックして面倒でも分けて洗うようにしましょう。
また、色落ちしやすいものは他の服に色移りしてしまうので、別個に洗った方が良いですね。初めて洗濯する服は、洗濯の前に色落ちしないかをチェックしてからが安心です。
ポリエステルを洗濯機で洗濯する方法
ポリエステルを洗濯機で洗濯する場合の、用意するものと手順について説明します。
用意するもの
▪洗濯洗剤
▪柔軟剤
▪洗濯ネット
手洗いではなく洗濯機で洗えるものは、洗剤は普段使っているものでOKです。ただ、粉末洗剤や粉石けんなどは、溶けにくい場合があるので注意して。液体洗剤ならその心配がないので扱いやすいでしょう。
柔軟剤は静電気を発生しにくくするので、ポリエステルの服を洗濯する時は使った方が良いでしょう。柔軟剤は香りが苦手という人もいるかもしれませんが、無香料のものも販売されているので探してみてください。
洗濯ネットは生地へのダメージを防ぐことができるので、おしゃれ着や装飾がついているものならネットに入れて洗濯しましょう。
洗濯機の手順
1.洗濯機に洋服を入れ、水量に合わせて洗剤を入れる。ネットが必要な服はネットに入れて。
2.通常のコース、あるいはソフトやドライコースなど服に合わせて選び洗う
ポリエステルの洋服はごく普通の洗濯方法でOKですが、色落ちだけは気をつけて。色落ちするのにうっかりして薄い色の洋服やタオルと洗濯してしまうと、大変なことになってしまいます。
ポリエステルを手洗いで洗濯する方法
次は手洗いで洗濯する方法について説明します。
用意するもの
▪洗濯おけ
▪おしゃれ着用洗剤
▪柔軟剤
▪洗濯ネット
手洗いマークがついている服なら、できるだけダメージを与えずやさしく洗うことが大切です。洗剤もおしゃれ着用を使い、洗濯ネットは脱水する時に使います。
洗濯の手順
1.洗濯おけに水を張り、水量に合わせて洗剤を入れる。
2.洋服をたたみ洗濯液に入れ押し洗いする。
3.洗濯ネットに入れて洗濯機で脱水を10秒ほどかける。
4.洗いおけに新しい水を張り、洋服を入れてすすぐ。
5.水を替えすすぎの水がキレイになったら柔軟剤を入れる。
6.柔軟剤を入れてから約3分おいて、再び洗濯機で10秒脱水する。
ポリエステルに限らず、手洗いが指示されている場合はデリケートな衣類なので、ダメージを与えないようにやさしく洗いましょう。洗濯ネットは洗う時ではなく、脱水する時に使います。柔軟剤を入れたら、すぐに脱水するのではなくしばらく放置しますが、途中でかき混ぜると浸透しやすくなります。
ポリエステルの乾燥方法
洗濯が終わったら乾燥させますが、自然に干すのではなく急ぎの時は乾燥機やアイロンを使用することも検討するかもしれません。ポリエステルの乾燥方法について説明します。
乾燥機は避けた方がいい
ポリエステルは合成繊維の中でも丈夫な素材ですが、天然繊維に比べるとやはり熱には弱いです。縮むなどダメージを受けてしまう恐れがありますから、乾燥機は避けた方が良いでしょう。
そもそもポリエステルは乾きやすい素材なので、乾燥機を使わなくても乾きやすいです。より早く乾かすには、扇風機などを使い風通しを良くすることでだいぶ時間を短縮できます。除湿器を上手に使っても良いですね。やむを得ず乾燥機を使用する場合は、短時間で終わらせるようにします。
アイロンの温度は低めにする
シワになりにくいポリエステルですが、シワがついてしまったらやっぱりアイロンをかけたくなりますよね。また、早く乾かしたい時も、アイロンを利用したいと思うかもしれません。
アイロンをかけるならまず洗濯表示を確認し、アイロンのマークに「×」がないことを確認してから。かける時は低めの温度にすれば大丈夫、ポリエステルは短時間でもシワが伸びるのでアイロンがけも比較的簡単。もし乾かすためにアイロンを使うとしても、天然繊維の綿にかけるのとは大違い、あっと今に乾いてしまうでしょう。
まとめ
ポリエステルは安価で扱いやすい素材ですが、洗濯や乾燥方法を正しく行うことで風合いを保つことができ、長く愛用することができるでしょう!
・ポリエステルは軽くて乾きやすく丈夫、熱にも強いし変形しにくい
・メリットは多いけれど静電気には要注意
・自宅で洗濯することは、手洗いも洗濯機でも可能
・色落ちの心配があるので分けて洗うようにする
・乾燥機は避けてアイロンは低めの温度で
自宅で簡単に洗濯することができるポリエステルですが、洗濯する前にまず洗濯表示をチェック!表示を守って洗濯すれば間違いありませんよ。